子犬やブリーダーも探せる世界の犬図鑑

グレート・ピレニーズ子犬やブリーダーも探せる犬図鑑

原産国 フランス
分類 JKC:第2グループ ACK:ワーキング KC:パストラル
体高 オス:70〜80cm
体重 --

グレート・ピレニーズの歴史

グレート・ピレニーズは、「ピレネー山脈の生きた雪のかたまり」と形容される真っ白な大型犬で、フランスやイギリスでは、ピレニアン・マウンテン・ドッグと呼ばれています。
グレート・ピレニーズの祖先犬は、中央アジアやシベリアから渡ったマスティフ系の犬と考えられ、紀元前1800年頃にはヨーロッパに生息していたと伝えられています。
 古くから、グレート・ピレニーズはピレネー山脈で牧羊犬として活躍し、羊の番に最適な犬として知られていました。
また、グレート・ピレニーズは、家畜を襲うオオカミやクマをなぎ倒していたことから、ピレネーのオオカミ猟犬、クマ猟犬として賞賛され、グレート・ピレニーズの能力は1頭で人間2人分の価値があるといわれていました。
当時、グレート・ピレニーズに釘付きの首輪を付け、オオカミやクマの攻撃から首を守っていたという面白い記録も残っています。
 中世のフランスでは、グレート・ピレニーズは警備犬として使われていた記録が残されており、17世紀後半にはルイ14世に飼育され、フランス社交界で一躍有名になりました。
その後、1675年にルイ14世によって、グレート・ピレニーズは“フランスの王室犬”に定められました。
 しかし、ピレネー山脈でオオカミやクマが減少するにつれて、グレート・ピレニーズの数は減少していきます。
一時は、海外でグレート・ピレニーズが人気になったことから流出が盛んになり、絶滅の寸前まで追い詰められたこともありました。
幸いなことに、一部の山岳地帯で質のよい血を受け継いだグレート・ピレニーズが残っており、愛好家たちによって絶滅の危機を乗り越えることに成功しました。
 現在、グレート・ピレニーズはフランスはもちろんのこと、イギリスや北米でも人気が定着しており、作業犬や家庭犬として人々に愛されています。
また、我が国でもアメリカ系のグレート・ピレニーズが輸入され、根強い人気を誇っています。
 

グレート・ピレニーズの性格

グレート・ピレニーズは、作業犬として改良された歴史を持つため、力強く敏捷で、忠実な性格をしています。
ただ、独立心が強く、頑固な一面も持ち合わせており、しっかりしつけをしないと、飼い主に対して威圧的な態度をとる傾向があります。
また、見知らぬ人には警戒心を怠らないので、番犬として優秀です。
 

グレート・ピレニーズの飼い方

グレート・ピレニーズは暑さに弱いので、高温多湿な日本では、冷房設備が必要な場合があります。
寒い気候の地域であれば、屋外で飼育することも可能ですが、基本的には温度管理がされた屋内で飼育するようにしましょう。
運動は毎日欠かすことができず、散歩は必ず行うようにしましょう。
被毛は、週に1〜2回ブラッシングをしてあげるとよいでしょう。
また、グレート・ピレニーズは大型犬であるため、十分な飼育スペースがない場合は、飼育することをおすすめしません。
 

グレート・ピレニーズの毛色

グレート・ピレニーズの毛色は、ホワイトやアナグマ色、薄いイエロー、ウルフカラーが認められています。
また、オレンジ色の斑が耳や頭部、尾にあってもよいとされています。
特に、アナグマ色のパッチはたいへん好ましいとされています。
        

グレート・ピレニーズの病気

純犬種のほとんどは、目標とする理想的外貌が得られるように近親交配がなされ作出されており、グレート・ピレニーズもその例外ではありません。
この作出のプロセスにおいて、望ましい遺伝子の固定化に隠れ、望まぬ遺伝的疾患の素因が固定されている場合があります。
いわゆる血統上の弱点です。
これはグレート・ピレニーズ特有の問題ではありませんが、例外でなく素因を持っている可能性が高いと理解してください。
 ■気をつけたい病気・股関節形成不全 ・膝蓋骨脱臼 ※これらはすべてのグレート・ピレニーズに起こる訳ではなく、またグレート・ピレニーズ特有の疾患でもありません。